2004年10月14日
アフターダーク
どこの本屋に行っても必ず置いてあるアフターダーク。
ハードカバーで分厚くて、なんだか読みにくそうな本だと思っていた。
漢字ばかりでぎっちりと文字が詰まってて、目が痛くなるような。ところが予想に反してかなり読みやすい。
どこにでもあるような日常から物語は始まる。変わっているのは、「視点」。主人公の視点でもない、全ての登場人物の心情がわかってしまう「神」の視点でもない。
その場の光景は見えるけど、なんら干渉することの出来ない…幽霊のような視点で物語は進む。登場人物の感情はなんとなくわかるが、何を考えているかはわからない。
この独特の視点が新鮮。
ごくありふれた他人の人生に、こんなふうにこっそり触れることができたら。気がつくと、「ありふれた」などとは決して言えない、特別な物語になっていた。
投稿者 dokusho : 2004年10月14日 21:01